福島・いわき市の小学生が映画作りに挑戦した。完成した映画には、地元の未来への思いが込められていた。 <br />いわき市の豊間小学校の5年生20人が、プロの監督などのサポートを受けて、映画作りに挑戦した。 <br />瀬木直貴監督は「『主人公が何をする物語なの?』っていうのを教えてほしい」と話した。 <br />脚本作りからスタートした初日、鍵谷大地さんが考えたのは「豊間の未来」だった。 <br />豊間小5年の鍵谷さんは「今の豊間は、家も店も少なくて、笑顔も少ないから。本当の未来になるような映画にしていきたいです」と話した。 <br />脚本が仕上がり、2日目はいよいよ撮影となった。 <br />撮影場所に選ばれたのは、「沼之内弁財天」。 <br />地元を復興させるため大工になりたいと、主人公の少年が手を合わせた。 <br />津波で多くの人が犠牲になった海岸にも、東日本大震災と変わらない海が広がる現実。 <br />子どもたちには、地元や映画に込める思いがある。 <br />鍵谷さんは「豊間は自然が良くて、観光スポットもある。僕にとっては、大好きな町です」と話した。 <br />豊間小5年の遠藤美花さんは「津波で、おじいちゃんとおばあちゃんと、大きいおばあちゃんが亡くなって、映画を作って、豊間の魅力を発信して、天国のおじいちゃん、おばあちゃんに見てもらいたい」と話した。 <br />最終日となった3日目、編集作業も大詰めとなった。 <br />就職で地元を離れた同級生が大工になり、豊間の復興に携わる主人公を訪ねるストーリーに仕上がった。 <br />完成試写会には、地元の住民も集まった。 <br />エンドロールには、震災前の町並みが、復興を遂げた将来の町並みとして、映し出された。 <br />映画を見た人は「素晴らしかった。震災に負けないという、逆にわたしたちがパワーをもらいました」と話した。 <br />完成した映画は、将来の大人になった自分たちへのエールでもある。 <br />鍵谷さんは「映像に映し出されたように、1軒1軒、家がある豊間町になっていたらいいと思います」と話した。 <br />この映画は、12月21日、22日に福島市で開かれる「福島こどもみらい映画祭」で上映されることになっている。